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ロゴ 家づくりのエキスパート インタビュー

株式会社ユーロJスペース 代表取締役
穂満慎一さん

1998年ユーロJスペース設立。クリエイティブプロデューサーとして、プランニングからインテリアまで、家づくり全体を統括する。その原点はデンマークで受けたインスピレーションにあるという。
[ホームページ]
http://www.euro-j.com/  

年間30棟に限定した家づくり

Q.  こちらでは年間に30棟しかつくらないと伺っています。穂満さんは、そのすべての家の計画全般に携わっていらっしゃるのですか。
A. もちろん、最初は営業マンが応対しますし、プランニングは設計マンやインテリアデザイナーなどスタッフとの共同作業です。

 ただ、お客様は、私がこれまで手掛けた家を見て、そこに現れる私の「感覚」に共鳴していらしてくださるんです。その想いに応えるには、私自身がお客様ひとりひとりとじっくり話し合い、ゾーニングからディテールまで全体を統括しなくてはなりません。設計・デザインに平均4カ月、竣工まで10カ月はかかりますから、年間30棟はぎりぎりのラインです。
Q. 打ち合わせでは、スタイルやデザインについてのディスカッションを重視されるのですか。
A. 間取りはある程度機能から導き出せるものです。けれど、デザインには人それぞれの好みがあり、住む人の個性が現れますよね。そこで、お客様のイメージをつかむために、まずスクラップブックを作っていただきます。この写真のこの部分がいいとか、この色、素材感が好きだとか。ご自分が思い描く住まいのイメージを自由に表現していただく。それをたたき台に話し合うなかから、その人の好み、志向を汲み取り、それに沿った提案を行っていきます。
Q. その過程でお客様に望むこと、またはご自身で心がけていらっしゃることは何でしょう。
A. 私はいつも、お客様の要望を100%満たしたいと考えています。そのためには、お客様自身の意思を明らかにしていただかなくてはならない。「すべておまかせします」「決めてください」と言われるのが一番困りますね。迷う気持ちもわかりますが、究極は好きか嫌いかしかないはずなんです。曖昧にしないで、はっきり言っていただきたい。「まあいいや」で済ませるには住まいへの投資は大きすぎます。
 その半面、すべての箇所について無理にご自分で考える必要はありません。たとえば、リビングは絶対こうしたい、と思っているけれど、バスルームにはあまりイメージがわかない、という場合はお任せください。
 そもそも、色づかいひとつとっても、無限にあるなかから「さあ選んでください」と言ってもふつうは無理です。こちらで選択肢を絞り、全体のコンセプトに合うようリードしますから、あとは好き嫌いで決めていただけばいいんです。
Q. そうやって積み上げていくと、ともすると予算オーバーになりませんか。
A. いいえ、うちでは予算オーバーした例はありません。
 実のところ、お客様が自分で欲しいものを並べていくと60坪も70坪も必要に思えても、こちらで整理すれば40坪に収まったりするものなんです。費用も同じで、初めに予算を教えていただけば、その範囲でデザインすることは可能です。

一棟一棟のオリジナルデザインを生み出すもの

Q. 工法はすべて2×6を採用していらっしゃるのですか。
A. 全部ではありませんが、ほとんどがそうです。とはいえ、工法そのものにこだわっているわけではありません。高気密高断熱で「快適な空間をつくる」のが基本だと考えているだけです。
Q. デザインのベースはデンマークスタイルと考えていいのでしょうか。
A. 家づくりに本腰で取り組むきっかけはデンマークで得ましたが、デザインするときに「何国」スタイルとは考えません。現実には、「何国」スタイルの家なんてないんですよ。あるのは色彩やテイストの違いであって、国の違いではない。その微妙な差異、ディテールのなかから私がいいと感じたものはどんどん吸収し、応用していきます。ですから、私のデザインも毎年進化しているはずです。たとえお客様に、かつて手掛けたあの家と同じがいい、と言われても、そこには必ず何か新しい要素を付け加えて、その家だけのオリジナルデザインをつくりあげます。そうでなければ、年間30棟に限定する意味がありませんよね。

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聞き手:萩原 詩子
フリーランスエディター&ライター。
住宅雑誌などの編集者を経て1997年独立。住まいづくり・住まい選びをテーマに取材・執筆活動を行う。
共著に 「住宅購入チェックリスト」東洋経済新報社刊。


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