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旭化成株式会社
住宅東京営業本部 東京法人営業所 所長
渡植(とのうえ)雅彦さん

1979年旭化成入社。10年間、モデルハウスを拠点に住宅の営業に携わる。その後土地活用のコンサルティング、営業推進などを経て、法人営業部門で再び住宅営業の現場に。2001年4月、組織変更に伴い現職。宅地建物取引主任者の他、ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。
[ホームページ]
http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/  

商品とお客様のニーズとのマッチング

Q.  こちらの営業所はモデルハウスを拠点にしていないそうですが、お客さんとはどのようにして接点を持たれるのですか。
A. ご紹介や、広告などを見て資料請求やお問い合わせをいただくことから始まります。金額はどのぐらいかとか、どんなふうに打ち合わせを進めるのか、といったご質問が多いですね。耐震性や耐火性について関心を持たれる方も多い。この時点ではお客様自身の知識や理解度はまちまちですし、要望も具体的ではないので、お話ししながらその方のニーズを探っていきます。お客様の求めていらっしゃるものと、会社の提供するものとが一致するかどうかを確認するわけです。家づくりの方向性というか、コンセプトが合わなければ、お話は進められませんから。
Q. その「コンセプト」とは、たとえばどういうことでしょう?
A. 私どもでは、初期投資には少しお金がかかっても、耐久性の高い、長持ちする住宅を提供しています。そのため、どの商品も構造は同じですから、極端に値段を下げるようなことはできません。そこへ、「プレハブだから安くて早いのでは」とお考えになってお問い合わせいただいても、ご要望に添えませんよね。ですからまず、工法の特徴やその性能についてご説明するようにしています。
Q. 問い合わせで関心が得られたら、その後はプラン、見積もりというステップになるわけですか?
A. 建物の性能をご理解いただくには、やはり、実物をお見せしなくてはなりません。論理の次は感性に訴えたい。そのために工事中の現場や、実際に建ててお住まいになっているお宅などにご案内します。「なぜ火事や地震に強いのか」実感としてわかっていただくことが大切。間取りはそのあとのことです。

間取りはコミュニケーションで決まる

Q. プラン提案では、どんなことを心がけていらっしゃいますか。
A. 当然のことだと思いますが、ご要望を伺うにあたって「何畳の部屋をいくつ」とか「何LDK」というような問いはナンセンス。それよりまず、建て替えなら建て替えの動機をていねいにお尋ねします。そこからお客様の求めているものがわかるからです。現在の暮らし方、住まい方を聞き、それに満足なのか、変えたいのか変えたくないのかを話し合っていきます。
 間取りがうまくできるかどうかは、結局のところコミュニケーションの問題だと思います。はじめにきちんと理解し合えないと、いつまでもボタンはかけ違ったまま。逆に、いい関係ができればいい間取りができるし、その後の内装や設備選びもうまくいくものです。ですから、お客様にもできるだけ率直に話していただきたいですね。

ひとつひとつ納得して進める家づくりを

Q. どのぐらいの段階で契約を結ぶことになるのでしょう。
A. 私どもでは原則として「仮契約」のようなことは行いません。ご納得いただけるまで間取りをご提案して、細かく詰める。そのまま建築確認申請に出せるぐらいの設計ができあがってから契約を結びます。この時点で決まっていないのは内装の色やコンセントの位置ぐらいではないでしょうか。
Q. そうすると、最初の出会いから契約まで、かなり時間がかかりそうですね。
A. ケースバイケースですが、敷地調査やヒアリングを経て、最初のご提案までにおおよそ1カ月。このとき、玄関の位置などの違う2〜3案をお持ちして、その中から徐々に詰めていきます。契約までには、全部でだいたい3カ月ぐらいかかりますね。
悔いの残らない住まいをつくるためには、「衝動買い」ではなく、じっくり時間をかけて決めるべきではないでしょうか。資料を集めてコンセプトや仕組みを理解し、実物を見て感覚をつかみ、プランを検討する。ひとつひとつ納得して、ステップを上っていくような家づくりをしていただきたいと思います。

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聞き手:萩原 詩子
フリーランスエディター&ライター。
住宅雑誌などの編集者を経て1997年独立。住まいづくり・住まい選びをテーマに取材・執筆活動を行う。
共著に 「住宅購入チェックリスト」東洋経済新報社刊。


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