MyHomeplusタイトル マネーシミュレーション
ホーム家づくりの依頼先家づくりのマネー家づくりのプランニングハウス&プロダクトカタログマンション選択ガイドマイホームプラスおすすめ本
一言コメント
マイホームプラスクラブ

ロゴ 家づくりのエキスパート インタビュー

中野工務店
中野 栄吉さん

終戦直後より大工として働き始め、1959年中野工務店設立。大手ハウスメーカーに先駆けて2×4工法を手掛けるなど、常に新しい技術に積極的に取り組む。雇用関係のない大工学校「番匠塾」を開設したり協同組合を組織するなど、後進指導や工務店の連帯にも尽力。
[ホームページ]
http://www.nakano-komuten.co.jp/  

工務店と設計事務所の関係

Q.  中野さんは、戦後間もない頃から家をつくる仕事に携わっていらしたとか。その間、「依頼先」をめぐる事情はずいぶん変化したのでしょうね。
A. かつて、家づくりの主役は地域の工務店でした。設計や申請事務を設計事務所に頼むにしても、工務店を通すのが普通だったでしょう。けれども、ここ40年ほどで設計事務所が増え、直接お客さんからの依頼を受けるようになって、工務店と設計事務所との差異が小さくなってきました。お客さんからすると、デザイナーに頼むかビルダーに頼むか、2つのチャンネルができたといえます。これに加えて、ハウスメーカーという新しい勢力が台頭してきた。かくて依頼先の選択肢は増えたわけですが、今のところ多くのユーザーは、さまざまな錯覚や誤解に惑わされているのが現状ではないでしょうか。
Q. その「錯覚や誤解」について具体的に説明していただけますか?
A. まず、工務店と設計事務所とでは、得意とする領域が違います。どちらに頼んだにせよ、そこが主導権を握るというのでなく、お互い補完し合ってこそいいものができるのです。設計事務所は企画やデザイン力に優れているでしょうが、工事やコストに関する総合的な判断は、現場に直接携わる工務店でなくてはできません。このことを見誤って、施主や設計事務所の独断ですべてをコントロールしようとするのは得策ではないと思いますね。
施主、設計事務所、工務店の3者が、お互い対等な立場で話し合う、そんな関係こそが家づくりを成功に導くのです。

「中小工務店」に関するユーザーの誤解

Q. ハウスメーカーと工務店の違いについてはどうでしょう。
A. まず「中小の工務店より大手ハウスメーカーのほうが技術力が高くコストが安い」という誤解があります。もちろん、中小の工務店にもいろいろありますから、技術力は会社によりますが、コストはおしなべて安いはず。なぜなら、ハウスメーカーのように宣伝や営業活動にお金をかけていないからです。さらに、小規模ゆえのメリットもあります。たとえば、量産を前提とするハウスメーカーでは、狭小や変形の敷地に対応できなかったり、割高になることがある。中小の工務店ならば、ひとつひとつの条件にフレキシブルに対応できます。
 また、「中小の工務店はつぶれてしまうかも」と不安がる人も多いですね。けれども、このご時勢で、大手なら大丈夫と言い切れるでしょうか。競争の厳しいハウスメーカーと違い、中小の工務店は、お互いに連帯することが可能です。ネットワークの中で完成保証を行うなど、複数の会社で協力し合えば、ユーザーの信用も得られるし、材料の共同購入や技術交流などさまざまなメリットも生まれてきます。
Q. 実際、中野さんは工務店のネットワークを主宰していらっしゃいますね。
A. 「住環境向上事業協同組合」、略して「SAREX」と言いまして、2年前にスタートしました。組合として完成保証や品質保証など「住宅品確法」への対応を行うのも目的のひとつ。今後はさらに「品確法」の規定にはない、ランニングコストについても表示したいと考えています。なぜなら、「品確法」による「構造部分の10年保証」なんて、あまりにも当たり前のこと。それより、内装材など退化しやすいものについて、その耐用年数やメンテナンス費用を明らかにしておくことが必要です。それによって、設計時の選択基準も違ってきますしね。建てるときにかけるお金だけでなく、住み続けていくためのコストを視野に入れておくべきです。

オリジナルの「木造軸組プレハブ」住宅

Q. 中野工務店が独自に開発した工法もあるそうですが。
A. これは、私が長く培ってきた住宅に関する経験・知識の集大成です。名付けて「番匠型住宅」。具体的には「木造軸組プレハブ」とでも呼びましょうか。材料をプレカットし、パネル化するなど、現場の仕事を極力少なくしてコストダウンにつなげ、同時に構造の強度を高めています。構造はそのまま意匠として用い、柱を現した真壁づくりに。そのため、造作に余計なお金がかかりません。
 プレカットは自社の工場で、一軒分すつ、大工さんの手で行います。大工さんの経験を生かし、個別の設計に対応し、なおかつローコストで、こだわりの木造住宅が実現できるのです。
Q. では最後に、これから建てる人に工務店選びのアドバイスを。
A. すでに申し上げたように、工務店は派手な宣伝はしませんしできません。いい工務店を探したいと思ったら、地元の工務店の施工例を見せてもらって、住んでいる人の話を聞くことですね。また、現場や事務所を訪ねるのもよい方法です。従業員の態度や整理整頓状況は、すべての仕事ぶりに通じますからね。会社の規模などに惑わされず、企画提案を比較して、ご自分の予算と要望をどのぐらい満足できるか、よい信頼関係が築けるか、という基準で判断なさってください。

このインタビューへのご意見・ご感想は、こちらまで  



聞き手:萩原 詩子
フリーランスエディター&ライター。
住宅雑誌などの編集者を経て1997年独立。住まいづくり・住まい選びをテーマに取材・執筆活動を行う。
共著に 「住宅購入チェックリスト」東洋経済新報社刊。


BACK  TOP


Copyright(C)2000-2011 X-Knowledge Co.,Ltd. All right reserved.