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住友林業株式会社 東京住宅営業部 武蔵野店 係長
野村 正樹さん

nomura.jpg 住まいに関わる仕事を志して、1990年住友林業入社。以来、一貫して都内で住宅の営業活動に携わる。住宅に関心を持った理由は「実家が古く使い勝手が悪かったので、住み心地のいい家への憧れから」と語る。そのご実家も、数年前にご自身の設計による建て替えが実現した。
[住友林業株式会社のホームページ]
http://www.sfc.co.jp/  

敷地調査に基づいたプラン提案

Q.  ハウスメーカーでは、当初は無料でプラン提案を行うのが一般的なのに、貴社では有料だと伺っていますが。
A. 原則として、プランをおつくりするときには5万円申し受けます。これは基本設計と、その前提となる敷地調査の費用です。
私どもでは、基本設計の前に専門家による測量と地盤調査、法規・設備関連の調査を実施します。この調査を抜きにしては、 きちんとしたプランがつくれないからです。他社では土地購入時の図面をもとに設計提案するケースもあるようですが、 売買用と建築用とでは測量の内容が違います。土地の高低差や道路・隣家などの状況を把握しないままプランをつくっても、 その通り実現できなかったり、予定外の費用がかかってしまう可能性が高いのです。
そんなことのないよう、当初から正確な費用と正確なプランをご提示したい。そのために必要な経費だとお考えください。
Q. 敷地調査をすれば正確な費用がわかる、というのはどういうことでしょう?
A. 敷地調査が終われば、まず付帯工事の予算がつかめるんです。
具体的に言いますと、解体工事や水道の引き込み、地盤改良などの費用ですね。すると、全体の予算からそのぶんを引いて、建物にいくらかけられるかが算出できる。この順番が逆だと、予算オーバーになりがちなのです。

「概算見積もり」はありえない

Q. プランそのものの打ち合わせはどのようにすすめていくのですか。
A. まず、敷地調査のご報告と同時に、ご要望の聞き取りを行います。このとき、極力ご家族全員そろっていただくようにお願いしています。
誰にも心残りがないよう、ひとりひとりの住まいに対する思いすべてをお聞きしたい。たとえ土地には10のものしか入らないとしても、 この時点では20でも30でも、うんとわがままを言っていただいていいのです。それをもとに、こちらでプロとしての判断を加えてプランをつくってご提案します。
具体的な間取り図を前にすれば、何を優先すべきかがみえてきますから、それから要望を整理し、取捨選択していただきます。
Q. 間取りと同時に建物の工事費も提示するのですか。
A. 間取りが決まらない段階で見積もりはできません。
もちろん、経験値をもとに、予算内で無理がないと思われる提案を出してはいますが、この時点では詳しい数字のお話はしません。 どんな材料をどのぐらい使うかがわからないのに、金額がはじきだせるはずはないのです。
ときどき、他社からも同時に見積もりをとられているお客様から「概算見積もり」を求められますが、そんなものはありえないと思いますね。 それに、住まいのような大きな買い物を「概算」でお決めになって、ほんとうにいいのでしょうか。
Q. すると、費用の提示はプランがほぼ確定したあとになるわけですね。
A. 敷地調査や聞き取りを徹底的に行っていますから、間取りは2〜3回でベストプランができるケースが多いんです。 それをもとに、ショールームで部材や設備機器などを見ていただいて仕様を決めます。
こうして初めて建物の見積もりをつくることができる。さらに、付帯工事費用、空調機器や外構のプランと見積もりを加え、 諸費用まで含めた全費用をご提示しています。こうすれば、とくに変更のご要望がない限り、契約後に見積もりが狂ったり、 予定外の費用が発生するようなことはありません。

これから家を建てる人へ

Q. ご家族の家2軒を建てられたと伺いましたが、そのご経験からお感じになったことは。
A. やはり家族だと遠慮がないので、ほんとうに言いたいことが言い合えます。そうすると、満足できる、納得のいく家づくりができるんですね。
営業マンとして他のご家族と向き合うときも、いかにしてこうした信頼関係を築くことができるかが課題だと再認識しました。また、お客様の側にも、一緒にいい家をつくっていこうというスタンスをもっていただけるといいですね。
Q. ほかに、これから家づくりをする人に伝えたいことはありますか。
A. どうも近頃は、家を「つくる」というより「買う」という感覚になってしまっている気がします。
これには供給側にも責任があると思いますが・・。家づくりは、ご家族にとって一生に一、二度あるかないかの大事業です。 十分に勉強して取り組まれるべきですが、情報に振り回されて、ご自身が本当に求めているものを見失わないでください。 木が好きとか南欧風が好きとか、そういう感覚的なものや好み、感性を大切にして、ご自分にとって住み心地のいい、 こだわりのお住まいをつくっていただきたいですね。

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聞き手:萩原 詩子
フリーランスエディター&ライター。
住宅雑誌などの編集者を経て1997年独立。住まいづくり・住まい選びをテーマに取材・執筆活動を行う。
共著に 「住宅購入チェックリスト」東洋経済新報社刊。


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